まず知ってほしいこと――リスケは信用破綻です
資金繰りが苦しくなり、銀行に返済を待ってもらう。いわゆるリスケです。
まず知っておいてほしいのは、リスケをするということは、銀行との信用が破綻したということです。「約束どおりに返す」という信用が、一度壊れたのです。
そしてリスケのあと、壊れた信用をもう一度築き上げるのは、本当に大変です。
リスケは通るのか
リスケそのものは、頼めば通ることがほとんどです。中小企業庁の公表では、政府系金融機関への返済条件の変更の申し込みは、99%以上が受け入れられています。
ただし、通ったから安心、ではありません。国は、リスケをしたことだけを理由に新しい融資を断らないよう金融機関を指導していますが、現実には、返済の当てを示せない会社は新しい融資を受けにくくなります。信用が壊れているからです。
リスケのあと、銀行は「本当にやるのか」を見ている
ここが一番大事なところです。
リスケのとき、会社は経営改善の計画を銀行に出します。しかし銀行は、計画を出したことを評価するわけではありません。銀行が見ているのは、その計画を、本当にやるのかです。
リスケのあと、銀行は会社をずっと見続けます(モニタリング)。
- 約束どおり、毎月の試算表を遅れずに出しているか
- 計画に書いたことを、書いた時期に、実際にやっているか
- 計画と実績にずれが出たとき、その理由と、どう取り戻すかを説明できるか
- 裏で、ファクタリングや金利の高い借入に手を出していないか
計画を出して、あとはやらない。これでは、壊れた信用はさらに壊れます。逆に言えば、計画どおりにやり、それを数字で見せ続けることだけが、信用を取り戻す道です。
貸しはがしの最中だった会社
ある会社の例をお話しします。社長が病に倒れ、7年連続の赤字。私が入ったとき、銀行はすでに貸しはがしの最中でした。
銀行が信用しなくなった理由は、はっきりしていました。銀行が何を聞いても、具体的な説明が返ってこない。社長自身に立て直す気持ちも自信もなく、銀行の質問に答えられない。銀行から見れば、この会社を信じる材料が何もなかったのです。
まず、お金が出ていく原因を止めた
最初にやったのは、資金繰りを圧迫していた大口の工事をやめることでした。代わりに、修理や補修といった小さな仕事に切り替えるよう、営業と工事の担当に指示しました。
同時に、社員に数字を意識させました。目標の数字に近づくには何を改善すればいいかを、社員自身に考えてもらいました。朝礼では、今月の方針を徹底的に伝えました。
銀行には、2週間に1回、包み隠さず説明した
銀行には、2週間に1回、次の3つの資料を出して説明しました。
- 受注一覧表(場所、受注先、数字、納期、入金の時期)
- 資金繰り表
- 利益先行管理の表(目標と今の実績の差を数字で出し、その差をどう埋めるかを決めた表)
利益先行管理の表は、銀行の担当者のほうから欲しいと言われました。
では、それで銀行はすぐに信用してくれたか。してくれません。しばらくは信用されませんでした。一度壊れた信用は、資料を出したくらいでは戻らないのです。
それでも続けました。資料を出すだけでなく、今どういう状況なのか、何がうまくいっていて、何がうまくいっていないのかを、詳しく、包み隠さず説明しました。都合の悪いことも隠さない。これを繰り返すうちに、銀行の見る目が少しずつ変わっていきました。
結果
私が入って4か月後には、社員に賞与を満額支給できました。その年に7年ぶりの黒字となり、営業利益は4,000万円。翌年には6,000万円になりました。
銀行は「口」ではなく「数字」と「行動」を見ている
「売上を上げます」「頑張ります」は、信用になりません。リスケ中の社長に伝えたいのは、次の3つです。
- リスケは信用破綻だと受け止めること
- 出した計画を、必ずやること
- やったことを、数字で、決まった間隔で、包み隠さず見せ続けること
一人で銀行に向き合うのがつらいときは、ご相談ください。ご相談は無料です。
※会社が特定されないよう、一部の設定を変えています。
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