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経営者の優劣によって会社は潰れるのではない〝目標をもって行動するかしないか″だけ・・・続き3

計画を立ててから1カ月、試算表の数字は多少良くなったぐらいでしたがそれでも赤字なのです。

資金繰りについては直近の資金ショートは回避したものの、次の資金ショートは2カ月後なので、営業1課及び2課だけでなく、幹部社員達が営業マンとなって日夜営業に走らせました。

ただ、問題なのはクレームがあいも変わらず続いていることなのです。

私はクレームがなぜ続くのか確認するために工場に行き、武田工場長になぜクレームが収まらないのか聞くのですが「わかりません」の一点張りなのです。

理由が分からないまま、クレームとなった商品をチェックしていたところに、品質管理の吉澤氏が来て私に教えてくれたのです。

「材料の一部に先代が安いからと言って10年分の材料を別の倉庫に保管してあるのです、その材料は、腐りはしないけど、品質に問題はありますよね・・・・あと聞いた話ですけど武田工場長は材料の混ぜ合わせの分量が分からないみたいで、以前、副工場長に武田工場長は材料の分量が分からないのですかと聞いたことがあるのですが、カンと味覚だけで十分だと言ったようです」

その話を聞いた私は武田工場長になぜ指摘してあげないのか聞くのですが

「私は工場長の上司ではないので何もいえないですよ」

私は何も言えずにその場を後にし、経理課の佐藤課長と資金繰りのために打ち合わせをしていたなかで、吉澤氏から聞いた話をしてみたのです。

佐藤課長の話では「10年分の材料購入をしたのは、取引している会社の資金状況が大変だったらしく、お金を融通してほしいと先代社長に泣きついたのです。仕入れた10年分の材料は5年で消費する予定でしたが、先代に癌が発覚しお亡くなりになって現社長に変わってからは材料がなかなか減らないのです。

それと工場について一つ問題があるのです。現社長が手作業の仕事は効率が悪いといって、1億近くもの資金を投資したのですが、その打ち合わせ全て武田工場長にまかせたのです。現社長としては先代から使えてきた工場長だから大丈夫とおもっていたらしいのですが、工場のレアウトや機械設置まではできても、肝心な材料の分量は分からなかった見たいなのです。

機械化したものの味は変わり、売上は年々減少し落ちるところまで来た結果、品質管理の吉澤氏が2年前にきたのですが、いくら吉澤氏でも昔の味を近づけることはできず現在に至るのです」

「川原さん気を付けてほしいのですが、武田工場長には気を付けてくださいね。彼は嘘をつくことがあります。ギャンブルが好きで先代が工場にいる時は彼も工場にいるのですが、先代が工場から離れると彼も工場にいなくなるのです」

私は武田工場長の話を聞いたついでに堀出社長の入社経緯をきいたのです。

「現社長は先代社長が倒れる4年前に、入社してきたのですが親子喧嘩が絶えなくて、工場だろうが店だろうが喧嘩ばかりするのです。最後の方はお互い無視です。現社長は当時常務の立場でしたが会社にきても部屋からでてこないことが頻繁にあるのです」

佐藤課長の話を聞き、今までの経緯を見る限り、従業員達がいくら奮闘してもトップである堀出社長が陣頭指揮をとらないと幹部社員達がまとまらないし、寝かしている材料の問題、定番商品の問題、企業としてどう対処していくのかの方向性を示してくれないと、この会社は1年持たないかもしれないと思ったのです。

しかし本当の苦しみはここから始まるとは思いもよりませんでした。

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