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経営者の優劣によって会社は潰れるのではない〝目標をもって行動するかしないか″だけ・・・続き4

経理課の佐藤課長と資金繰りを打ち合わせして3カ月目、この月は資金ショートの月だったのです。

堀出社長は資金ショートした金額400万を母親に求め、母親はご自身の口座から400万を下ろして銀行に振り込んでいたのです。

後で知ったのですが、資金がショートするたびに81歳の母親の貯金を取り崩し、金銭の工面をしていたそうなのです。

そしてこの月は金融機関への状況報告をしなければならない日なのです。資金状況や社内状況の説明も含めて報告しなければならないのですが、堀出社長は動こうとはしないのです。

「堀出社長、金融機関に行って報告してくださいね」

「私は行きませんよ、川原さんに経営をお願いしているから行きません」

「私は最初に言いましたが、企業再生の道筋はつけることで、月2日から3日の経営の指導にきているのです。私は経営者ではないので金融機関に行ったところで話になりませんよ」

私はこの時初めて堀出社長に対して怒り口調で話をしてしまうのです。

結局私が行くことになったのですが、それから数日後、東京支店から私の携帯に電話がかかってきたのです。

「川原さん大変です。営業部1課の竹下課長が百貨店のバイヤーを怒らしてしまったのですが・・・」

「その内容、堀出社長は知っているの?」

「堀出社長に報告したら、川原さんに報告してほしいと言われました・・・」

金融機関の件があったのですが、東京支店の社員にバイヤーにアポイントを入れてもらい、堀出社長の代わりに謝罪しに行ったのです。バイヤーとしての言い分は、「今まで営業に来なかった人が突然アポなしで来られ、いきなり商品の説明をし始めたので、時間を取ってまた来てくださいと言ったのにもかかわらず長々と話をするのです。

しかもアレルギーに関する食材について説明を求めても、後日連絡しますと言うだけで話にならないのです。たまたま私の状況を見かねた上司が御社にクレームの電話をいれたのです」この話を聞いた後謝罪して、今後も取引を続けていただくようお願いし、その場を立ち去ったのですが、確かクレームを起こした営業1課の竹下課長の前職は、大手企業に勤め、役付きと聞いていただけに、本当に大手企業に勤めていたのか疑問におもった次第でした。

私はその話を堀出社長に報告したのですが、「そうですか、あの人は前から軽率な行動をとる人なんですよね」というだけでお礼の一つも言わないのです。

私は堀出社長に経営とは何か人となりの話をし、苦言を呈しましたが下を向くばかりで無口になるのです。

各店舗の店長たちは売上を上げるために、社員教育はもちろん各店舗にいるバイヤーとの交渉などを課長の代わりに営業をしたり、本社に併設している直営店の店長は、駐車場を開放し、地域住民のために催事を行ったり、率先して日々の努力を最大限貢献しているのに、肝心の堀出社長は先頭にたって指揮はしない、社長室からは出てこない、いくら従業員が頑張っても内部統制が取れない組織では、淘汰される日を単なる時間稼ぎにしかならないのです。

私がこの食品加工会社に約2年3カ月にわたり指導したわけですが、話をだいぶ端折ってはいるものの、内部統制をとろうとしない堀出社長の代わりに誰も統制を取ろうとはしない、何故かしら経営コンサルの私に意見や指示並び判断を求めてくるのですが、意見や指導ならまだしも、指示や判断は決して経営コンサルが行ってはいけないことなのです。

しかし、ここで契約解除するわけにもいかず、何とか堀出社長を巻き込んで問題や改善すべきことをやってきましたが、2つの出来事が立て続けに起こった結果、残念ながら私はこの企業の指導を終わらせてもらったのです。

立て直しに奔走した2年目のことです。

品質管理の吉澤氏から武田工場長が横領しているのではないかという連絡があったのです。

吉澤氏の話では材料が帳簿と在庫の数量が合わないので、この3カ月、日別管理をして様子をみていたらしいのですが、明らかにおかしい動きをしているのが合ったそうなのです。

また、武田工場長あてにサラ金会社からの電話が頻繁にかかってくるようになったので、ひょっとしたらと言う思いで私に連絡してきたのですが、確たる証拠はないのです。 私はこの話を冷静に考え、サラ金の件については話の流れによっては、武田工場長に聞くことにしたのです。

※愛知県を中心に経営コンサルをしている川原と言います。このコロナ禍でオンラインによる無料経営相談を実施しています。遠慮なくご相談してください。

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