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使いこなせ、企業型確定拠出年金

企業型確定拠出年金(DC)の話をする際に、その背景について若干触れておきます。

現在、日本人の平均寿命は男性81.64歳、女性は87.74歳と過去最高を記録しており、また、公的年金については賦課方式の為、少子高齢化により現役世代の方が少なくなると年金受給者の年金額も少なくなっていきます。

つまり、長生きにより老後がどれだけ豊かな生活を送れるかが重要となり、将来どれだけ年金がもらえるかという事が人生において大きな課題となってきています。

1)確定拠出年金(DC)とは?

確定拠出年金(DC)と対比されるものに、確定給付年金というものがあります。確定給付年金とは給付が確定している年金であり、厚生年金、国民年金、個人年金がこれに該当します。

一方、確定拠出年金(DC)は日本版401Kとも言われ、自分で投資・運用して拠出額を決める年金です。

国は少子高齢化による公的年金の支給が足りなくなる事を予想し、自分の年金不足分は自分で責任を持つ様に方針転換したのです。

結局、上場されている様な大手企業ではこの企業型確定拠出年金(DC)が導入され、中小企業では導入がなかなかすすんでいません。

国は更に個人向けの投資対策に節税メリットを活かせるiDeCoやNISA、積立NISAなどを推奨してきましたが、いずれの制度も自分で投資・運用して手元資金を殖やすための制度です。

今まさに国が推奨している『貯蓄から投資へ』と言うキャッチフレーズに沿った制度と言えます。確定拠出年金は個人向け制度iDeCoの企業版で企業型確定拠出年金(DC)と呼ばれ様々なメリットがあるのです。

2)なぜ、企業型確定拠出年金(DC)なのか?

そこで、なぜ企業型確定拠出年金(DC)なのかと言えば、従業員からみて個人でiDeCoに拠出した場合と企業型確定拠出年金(DC)に拠出した場合を比較すると、iDeCoに拠出する1万円は本来支給される給与の1万数千円から社会保険料15%控除され、所得税5%控除(年収により変わる)され、市町村民税10%が控除された後の1万円ですので、手取りの1万円以外に控除される数千円が投資に回らない事になります。(支給時の1万円を投資した場合の控除後の手取り額はおよそ7千円) 

一方、企業型確定拠出年金(DC)は給与支給額の1万円を控除前に拠出するので、社会保険料負担が数千円減り、所得税控除が数千円減り、市町村民税が数千円減ることになります。更に企業側からすれば社会保険料は社員と折半の為この社会保険料負担も減る事になります。

3)企業型確定拠出年金(DC)のメリット

 ・積立するかしないか選択できる

 ・最低3,000円から始められ、途中変更可能。

 ・社会保険料負担が軽減される(事もある)

 ・所得税、住民税が軽減される

 ・年金原資は個人ごとに専用口座で個別に管理される

 ・運用方法も選択でき途中で変更できる(ローリスクローリターン⇔ハイリスクハイリターン)

 ・離職、転職時、残高を持ち運びできる(ポータビリティー)

 ・費用は会社が負担してくれる

 ・顧問FP(DCコンサルタント)に無料相談できる

4)企業型確定拠出年金(DC)のデメリット

 ・60歳まで現金化できない(公的年金も同様)

 ・途中でやめることはできない(減額は最低3,000円)

 ・老齢厚生年金の受給額が減る可能性がある(DC積立分でカバー)

 ・傷病手当金が減る可能性がある

 ・失業給付・労災給付の算出基準額も同様に減る

5)まとめとして(三方良しの導入メリット)

  従業員側のメリット

 ・掛け金全額が所得税・住民税・社会保険算定基礎の対象外

 ・事務手数料を会社が負担してくれる

 ・天引きで強制的に老後資金を積立できる

  企業側のメリット

 ・(実質)掛金の追加負担なしで企業年金を導入できる

 ・掛け金全額が社保算定基礎の対象外(社会保険料の適正化)

 ・企業年金実施企業としてリクルート対策にも効果的(従業員のニーズが強い)

  経営者個人のメリット

 ・役員も加入できる(但し59歳まで)

 ・役員や中核社員など高所得者ほど節税メリット大(iDeCoより強力!)

以上の話になるのです。人は老後という未来に対して不安を抱えており、できるだけ未来の自分のために、何が出来るのかを設計しては如何でしょうか。

これが社員よし、企業よしであるなら、企業型確定拠出年金を検討しては如何でしょう。

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