BLOG ブログ

売上が上がっても粗利益が残らない会社へ――目標と実績の差を数字で見る「利益先行管理」

売上が上がっても粗利益が残らない会社へ――目標と実績の差を数字で見る「利益先行管理」

はじめに

今この時点で、今期の粗利益の目標まであといくら足りないか。すぐに数字で答えられる社長は、意外と多くありません。

「少し厳しい」「後半で巻き返せるはず」。そう答えたまま期末を迎え、気づいたときには資金繰りが苦しくなっている。そんな会社を、私は数多く見てきました。

この記事では、目標との差を「数字」でつかみ、その差をどう埋めるかまで決める「利益先行管理」という考え方を紹介します。

「未達です」で終わる会議

多くの会社では、年度初めからの累計を見て、目標を達成できそうかどうかを判断しています。

会議では「今月も未達です」「来月取り返します」という報告が続きます。しかし、そこで話が終わってしまう。何を、誰が、いつまでにやるのかが決まらないのです。

しかも、会議で話されるのはほとんどが売上の話です。原価にまで踏み込んで話す会議は、ほとんどありません。

達成か未達かを判断するだけでは、管理していることにはなりません。それは「結果を眺めている」だけです。

利益先行管理とは、目標と実績の差を「数字」で出すこと

利益先行管理は、累計で達成・未達を判断して終わらせません。目標としている数字と今の実績の差を出し、その差をどう埋めるかを決める管理のやり方です。

たとえば、半期の粗利益の目標が600万円で、実績が420万円だったとします(数字は説明のための例です)。「達成率70%」と言うと、まだ何とかなりそうに聞こえます。しかし「あと180万円足りない」と言うと、話が変わります。

差が数字で見えた瞬間、「その180万円をどこで稼ぐのか」という問いが生まれます。割合は結果を表しますが、差の数字は次の行動を決めます。

売上が上がっても、粗利益がなければ意味がない

私が経営指導している会社では、「変動損益」という考え方で数字を見ています。

売上から変動費を引いた残りが、粗利益です。変動費とは、売上に直接かかわって発生する経費のことです。この粗利益が、会社の状態を見る一つの目安になります。

売上が上がっても、それ以上に変動費が増えていれば、粗利益は残りません。売上を上げることは大事ですが、粗利益がなければ会社は守れません。だからこそ、売上だけでなく原価まで含めて話し合う必要があるのです。

社員に見せる数字は3つ

社員に会社の数字を全部見せる必要はありません。見せるのは、売上、変動費、粗利益の3つです。

売上だけを見せると、社員は「売れば良い」と考えます。変動費と粗利益まで見せることで、売れても粗利益が残らなければ意味がない、ということが社員にも分かります。

目標としている粗利益と、今の実績。その差を社員と一緒に見て、足りているのか、足りていないのかを確かめます。

社長だけが数字を見て焦っている会社では、不足は社長一人の問題になります。この3つの数字を社員と共有すると、不足は会社全体の問題になります。

足りないなら、どう埋めるかを決める

粗利益が足りていないと分かったら、次はその不足をどう埋めるかを決めます。

粗利益は、売上から変動費を引いたものです。ですから不足を埋める道は、売上を増やすか、変動費を抑えるか、そのどちらかです。

私が指導している会社の会議では、粗利益が足りないとき、変動費を下げるために何を改善するのかを話し合います。売上の話だけで終わらせず、原価の中身にまで踏み込むのです。

大切なのは、「頑張ります」で終わらせないことです。誰が、いつまでに、いくら分を埋めるのか。そこまで決めて初めて、不足は「誰かの仕事」になります。

そして、毎月その不足が縮んだかどうかを確かめます。縮んでいなければ、手を変えます。期末になってから慌てるのではなく、早いうちに手を打てるようになります。

数字を出しても会社が動かない理由

差を数字で出しても、それだけで会社が変わるわけではありません。数字を動かすのは、結局は人だからです。

慣れた組織、慣れた社員のままでは、何をしても改善にはなりません。誰がこの不足を埋める先頭に立つのか。役職者が社員時代の延長線で仕事をしていないか。粗利益の目標が、社内の共通の目標になっているか。

ここが整わないと、売上を追っても原価を削っても、目先の対応で終わります。利益先行管理は、数字の管理であると同時に、組織を動かすための道具でもあるのです。

まずは「あといくら」を出すことから

今日からできることは、一つだけです。売上、変動費、粗利益の3つを並べ、粗利益の目標と今の実績の差を数字で書き出してみてください。その数字を見て「どう埋めるか」を考えることが、管理の第一歩です。

とはいえ、自社の数字を自分だけで客観的に見るのは難しいものです。これまで3,000社以上の企業を支援してきた中でも、不足に気づくのが遅れたことで、資金繰りに苦しむ会社を多く見てきました。

「うちも当てはまるかもしれない」と感じたら、問題が大きくなる前に一度お話をお聞かせください。ご相談は無料です。

▶ 資金繰り・事業再生で会社を立て直す――意思決定の構造と信頼の土台

▶ 無料相談のお申し込み

CONTACT
お問い合わせ

株式会社マネジメントオフィス・Kについての
ご意見やご質問は
お気軽に以下のフォームより
お問い合わせください。