3年後、5年後、あなたご自身がどのような人生を歩んでいるか想像したことはありますか。
仮に経営者であれば「規模が拡大し違った事業も営んでいる」とか、後継者であれば「立派な経営者になっている」とか、幹部社員であるなら「役員になっている」とか、将来に対して少なからず、未来に対する目標はあるのではないでしょうか。
また、「その時になって見ないとわからない」と考えてる人もいるでしょう。
私はね。ありがたいことに多くの経営者の人生を見させて頂き、人というのは、人生の目標を、持つ持たないのでは、こんなにも違うものなのか、運命は自分持ちなんだと気付きました。
なぜ、そこに気付いたか?
前職で人材研修のスタッフとして参加したことがきっかけでした。
その研修は年間数千人の人が受講します。研修の講義の中には、人生の振り返りという講義があったのですが、特に40代、50代、60代の人たちが「もう一度、人生のやり直しができるならやり直をしたい」とすでに、取り返しのつかない人生を悔い、いままで歩んできた人生について赤裸々に話をするのです。
あの時、もっと積極的にやっていればよかった。両親にもっとありがとうって感謝の言葉を言っておけばよかった。親に心配ばかりかけさせてしまった。もっと家族に対して感謝の気持ちを伝えてやればよかった、自分の我がままで、部下達に大変な思いをさせてしまった、人の気持ちを考えず申し訳ない、このような話ばかりなんです。
彼らが何を言いたいのか。
親、家族、ご自身を支えてくれた人達に、注意や助言をしてくれてはいたけれど、一旦立ち止まってみればよかったものの、人様の話を聞き入れることをしなかったため、安心させてやれず、申し訳ないと思った時には、すでにこの世にいなかったり、離れて行ったりして、初めて後悔するということなのです。
人生を悔いる人は、過去の経験や体験をもとに前しか見ず、上手くいっている時は、陰で誰かがサポートしていただいていることを忘れ、うまくいかない時は自らが行動せず不満を誰にぶつけて見たり、そのようなことを繰り返しているとやがて時が経ち、振り返って見ると何もできない人になっていることに気付かず年だけは取るのです。
当時30歳だった私は、年配者が人生を顧み、取り返すことができない人生の話を聞いて、運命はその人自身の選択の結果であり、運命は自分でしかつくれないということが、私の思考を変えるきっかけだったんです。
私は、若い経営者や後継者、承継を遅くに経営者になった方を沢山知っていますが、後悔していないかと聞きますと「やるしかないですよね」と言うことを聞きますが、ではやりたいことや、したいことってあるかと聞くと「まずは会社を守るのが先ですね」と言われます。
親が作った会社を守るだけの人生って親が喜ぶのだろうか?
それを親が望んでいるのだろうか?
私がこのような話をするのは、あなたが未来に向かってわくわく感を持っているのかどうかなんです。もし、わくわく感がなく苦しい、辛い、不安と感じながら業務についているのでしたら、この先、あなたの人生は先の述べた、研修をうけた人と同じように、後悔するような人生を歩んでいくはずなのです。
仮にあなたが経営のトップに立ったり、経営陣であったりするのでしたら、いくら経営ビジョンを掲げようが、従業員に経営理念や目標を浸透させようとしても、従業員達には浸透はしないのです。
経営理念が浸透するのは、あなたがわくわく感を持ち、希望を持って前に進めば、自ずと従業員達も、それにつられ気持ちが前向きになり、自然と経営理念は浸透し、あなたがやりたいことに追随するはずです。
逆に、あなたが口には出さないけど、不安や不満を持ち続けていれば、従業員達が気を遣い、前に向くのではなく、後ろ向きになるのです。
従業員達があなたに気を使っているように感じたら、会社は前に進むのではなく、後退しているのだと覚えておいてほしいのです。