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日本の中小企業を襲う危機 – 後継者不足と後継者育成の重要性

日本の中小企業に迫る深刻な課題である「後継者不足」と、それに対処するための「後継者育成の重要性」についてお話ししましょう。日本は超高齢社会に突入し、その影響は経済界にも及んでいます。中小企業の多くはこの問題に直面しており、その背後にはさまざまな要因が絡んでいます。

1. 超高齢社会の影響

日本の経営者の平均年齢は60歳を超え、経営者の高齢化が進行しています。これは、超高齢社会に突入した証拠であり、後継者不足の一因となっています。高齢の経営者が後継者を見つける難しさが増しているのです。

2. 数値データの驚愕

経済産業省のデータによれば、70歳以上の経営者が245万人もおり、その半数以上が後継者未定です。10年後には60万社が黒字廃業の危機に瀕していると言われています。これは、後継者不足が日本の経済にどれほどの影響を及ぼすかを示す驚くべき数値です。

3. 後継者不足の深刻な影響

後継者不足は、地域経済にも大きな影響を及ぼしています。東京商工リサーチによる報告によれば、後継者不足を原因とする「後継者難倒産」が急増しており、2021年上半期だけで181件もの倒産が記録されました。これは、後継者不足が経済の安定にも影響を及ぼすことを示す一例です。

4. 親族内承継の困難性

中小企業の多くは親族内承継を希望していますが、個人保証に関連する問題が浮上しています。親族内承継の場合、後継者は債務に関する個人保証を引き継がなければなりません。これにより、後継者は経営が厳しくなった際に個人資産を失うリスクを背負うことになり、事業承継が難しくなっています。

5. 親子間のギャップ

親族内承継の問題に加えて、親子間には期待と現実に関するギャップも存在します。経営者が後継者として自分の子供を期待する一方で、後継者は自分に経営者としての適性がないと感じる場合があり、これが後継者不足の一因となっています。

6. 能力と要求の変化

現代の経営者には、高度な能力が求められています。責任感、リーダーシップ、ビジネスモデルの変革への柔軟性が不可欠です。経済やビジネス環境は変化し続けており、後継者には多くのスキルと覚悟が求められています。

結局のところ、後継者不足は日本の中小企業にとって大きな課題となっていますが、その解決には後継者育成が欠かせません。しかし残念ながら後継者が見つかっても、後継者ご自身の人格によって、会社は大きくもなり逆に小さくにもなるのです。

今回、事業所受けにまつわる話を二つご紹介します。一つは後継者を育成する前に経営者が急死した会社の事例と、リーマンショックで事業が傾き、後継者と共に事業を立て直した後継者の話をしたいと思います。この二つの事例で、如何に後継者の育成が大事であるかと言うことが分かると思います。

まず最初の事例は、突如として、会社の社長であり父親でもあった方が亡くなり、学校を卒業したばかりの後継者がその後を継ぐことになりました。最初は他の幹部社員から色々教えてもらっていたのですが、途中から向上心がなくなり、幹部社員とまともに議論することを避けてしまったことにより、支えてくれたはずの幹部社員たちが心を離れてしまったことで一つの部署を潰してしまったという話です。

二つ目の事例は、どん底の経営から這い上がった2代目社長の話です。 2008年にリーマンショックがおこり、日本にも大きな影響があったのは2009~2013年頃。バブル崩壊後の2番目に大きい経済環境の悪化による景気の失速、株価の暴落。 そのような経済環境下の中、為替によって売上や利益を上げていた会社が突如として存続の危機になり、高齢である初代経営者の代わりに2代目若き経営者が経営の舵をとる話です。

如何だったでしょうか。この二つの事例は実際に私が指導した話です。冒頭でもいいましたがいくら後継者がいても、育成しないといけません。育成して大丈夫と思った段階で事業承継は完了なのです。

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