コロナ感染が広がり、リアルなセミナーからオンラインセミナーに切り替え、時間がある限り経営者や経営陣などを対象としたセミナーやっているのですが、昨年10月から上場企業の役員が私の開催しているセミナーに参加されるケースが多くなりました。
ほとんどの方は、売上は安定しているけれど、社員の意識や社風がこのままではいけないのでどうしたもんかというお悩みが多いのです。
私は皆さんに問いかけをしたいと思うのですが、リーダーと言うのはどういった人を指すのでしょうか。よくインターネットで検索すると「目的意識が強く情熱がある」とか「統率能力や指導力が高い」とかいろいろな方などが説明されていますね。
確かにどの答えもそうだと思います。
ただ私が思うリーダーとはとても単純で、「筋を通し(ブレない)、人によって忖度せず、間違ったことは素直に謝る」これが基本でなければならないと思います。そのうえで情熱があるとか、統率があるとか、指導力があるなどが派生しているものではないかと思うのです。
先ほどのセミナーに来られた方の話に戻ると「社員の意識や社風が変わらない」という話になるのですが、いくら上役が情熱を持って指導しても、統率能力が高くても社員の意識や社風が変わらないのは、上役からすれば一対部下ですが、部下からすれば一対一なのです。
人間ですから間違いあるでしょう。しかし部下からすれば、良くも悪くも、部下は上司の言語・行動・態度を常に見ているのです。
子供だってそうだと思いませんか。親の良いことは真似ず悪い事ばかり真似るって・・・
先日のセミナーに参加した方もそうでした。
セミナーに参加してくださった方は、大きな会社の役員様でした。
この方は数千人いる従業員に対して経営ビジョンを浸透するにはどうしたらよいのかというお悩みでセミナーにご参加されたのですが、いい雰囲気でセミナーも終わりに近づいたころ、最後に質疑をして終わる予定だったのですが・・・お説教になってしまったのです。
私が不意に人事異動の話を聞いてしまったのです。
「役員様、役員様の会社は大きな会社ですから人事異動ってどのくらいの期間で人事異動があるんですか?」と聞いたら、役員様は「恥ずかしながら、人手不足で人事異動はないのです」と言ってきたのです。
ここからが私の悪い癖で「では聞きますが、長と呼ばれる方は色々な方もいるでしょう。だけど長によっては、俺がいないとこの事業所は回らないぞって言ってくる長がいるでしょう」と尋ねると、「そういった長もいます」と答えたのです。
私は「そういった長は、誰が注意したり指導したりするのですか」と聞いたら
役員様は画面の向こう側で首を垂れていました。
経営ビジョンの話は機会があれば話をしますが、この役員様が間違っていることは、数千人もいるのに、俺がいないと事業所は回らないと言われ、そのまま放置することが問題であって、勤めている社員に対してビジョンや計画を浸透させることではないのです。
社員からすれば、問題がある長を何とかしてほしいと思っているのに、どうして経営ビジョンや計画などを浸透させることなのかが私には理解できませんでした。
経営者は、いくら経営困難があっても逃げることも辞めることもできません。だから我慢や忍耐ということを使いますが、役員はそういった経営者の気持ちを察して行動しないといけないのです。
役員と言うポジションは難しいですが、どんな部下でも筋を通し忖度しないことを心掛けてほしいものです。
名古屋経営コンサルになって20年以上もたち、延べ3000社の企業の経営に関する指導をしてまいりまいた。今は対面上の無料相談はできませんが、オンラインで無料経営相談をしています。どうぞ遠慮なくご相談ください。