コロナ禍で自粛や制限されている昨今、弊社でもリアルセミナーからウィビナ―(オンライン)に変えてセミナーを行っています。セミナーの終盤になって質問タイムをとって終了するのですが、その質問タイムの中で、よく聞かれるのは「どうしたら売上を上げられるのかを教えてほしい」ということでした。実際に業界によっては厳しい所もあるでしょう。
特に観光業は・・・
だけど、その中でも売上を上げている会社もあるのです。
私は質問者に対して言うことは「目先を変えて見たらどうですか」とよく言います。
何も新しいことをすればいいということではなく、やり方を変えてみたらどうですかと言うことです。
具体的な話をすれば、昨年金融機関の依頼で企業再生した会社、業種でいったら建設業、その中でも鉄鋼会社の話をします。この会社は元請であるゼネコン会社を相手に仕事をもらうのですが、1本仕事を請負う金額は億単位なのに粗利は10%もないのです。
そのため資金繰りを回すために年間の受注金額を40億の売上を上げても、税引後の利益が1億もないのです。特に建設業は工期の遵守と設計変更が多く、儲かるのはいつも元請で、なかなか儲けさせてくれないのが下請けなのです。(だから下請けは請負・・請けたら負けといいます)
この会社の利益を上げていくためにはどうしたらよいか。工程管理、コスト削減、技術のレベルアップ、色々やりました。しかし利益は数パーセントしか上がらないのです。
最後は営業する取締役にゼネコンに対して単価アップの交渉と工期がながい仕事の交渉をしてもらっても、返ってくる言葉は難しいということでした。いくら努力しても何をやっても資金繰りのために粗利益が少ない仕事をとりつづけるのですから、社員達は疲弊するのは当然です。
そこで、目先を変えることにしたのです。仕事はゼネコンからではなく、商社から仕事をとることにしたのです。幹部達からの抵抗はあったのですが、いきなりゼネコンから商社に変える事ではなく、少しずつ入れ替えてみたのです。これが功を奏したのか、なだらかな改善につながったのです。今では完全に仕事は商社からの仕事をもらっており、粗利も30%を超え税引後の利益は3億を超えているのです。
これは固定概念の破壊と言います。
長い年月を積み重ねていくと業務の流れや客先が固定化されてしまい、創意工夫がなくなるのです。
報道番組でもやっていましたが、タクシー会社がご年配の方を買い物に連れて行ったり、コロナ感染を避けるため食料品を購入し、依頼したお客様の所へ届けたり、本来の業務である人を目的地まで乗せる行為を、創意工夫をしながら売上につなげているのです。
業種業界問わず、目先を変えて見れば商売につながる可能性があるのです。
しかし、経済や社会の流れが変わったのにもかかわらず、多くの方は変革をせず、既存の延長性に嘆いているのです。
私に質問した方にそのことを言っても多分やらないでしょう。
固定したお客に、売上をどうしたら上げれるのかを思い悩む前に、まずは目先を変えてみることです。
私は20年間、約3000社以上の会社様にご縁を頂き、今は名古屋経営コンサルタントして活動しております。経営者にとって色々なお悩みがあることと思いますが、無料オンライン経営相談もやっていますので、ぜひお声をかけてください。